最低限のお金の知識が未来を変えます!
お金オンチ夫婦 借金500万からのビンボー脱出大作戦
みなさんは、家計のやりくりについて「今のままで大丈夫!」と胸を張って言えますか?
私は新卒で大きな会社の社員になり、家計について深く考えないまま、いい歳になってしまいました。
でも、40代で会社を辞めたいと思ったのをきっかけに、分からないなりにお金を増やさなくてはとさっそく行動を開始。
とはいえ、日経新聞を斜め読みし、テレ東の「モーサテ」と「WBS」を毎日観るようになったくらいですが(笑)。
それまで面倒くさそうな事務書類をかなりいい加減にゆるく処理してきたため、ネット証券に登録するまでが一苦労。やっと登録できたものの、用語や操作方法がまったく分からず半年間放置……。
退職までのカウントダウンが始まり、ようやく見よう見まねで株や投資信託を買い始めました。当時はお金の基礎知識がまったくないため、株や投資の参考書を読んでもちんぷんかんぷん。
そこで最初は定額を積み立てる「インデックス投資」を始めましたが、含み益が増えてだんだん気が大きくなり、「どうせなら敏腕ファンドマネージャーが運用するアクティブファンドも!」と無謀にも挑戦。
その山っけが災いし、運用額を大きく増やした途端に米中経済摩擦の煽りを受けて株価は乱高下し、3割弱の赤字に転落……。
投資を始めて2年経ち、最近ではようやく少し利益を出せるようになりましたが、お金を働かせる仕組みが腑に落ちるまでかなり遠回りした気がします。
そこで実感したのが、お金のリテラシーが低いドシロウトは、勉強するとき何から覚えればいいか分からないということ。
プロが書いたお金関係の本は、そもそも前提とされる知識レベルも高いし、難しい専門用語も多い。当時の私は、長期投資のメリットである「複利効果」がどんなものかすら説明できませんでした。
でも、お金の基本みたいな分厚い入門書は、情報量が多すぎて頭に入らず、結局パラ読みするだけになってしまう。そこで、超初心者が「これくらいなら自分もできる」とすぐノウハウを実践できて、より詳しい知識を得るため次のステップへ踏み出しやすくなるプレ入門書を企画。
単なる節約術でなく、少ないお金をやりくりして、長期投資など積極的にお金を増やすアクションに繋げたいと考えました。
著者の二ノ宮さんは、noteなどwebメディアを中心に執筆する30代の若手漫画家。
この作品は、「日興証券FROGGY×noteのお金マンガコンテスト」でグランプリを受賞し、連載された実録マンガに節約術のコラムを追加して書籍化しました。
二ノ宮さんは、共働きの嫁ちゃんと幼い息子の三人暮らしで、収入が少なく家計は常に綱渡り。課金ゲーム大好きで、金銭感覚のない嫁ちゃんに500万以上の借金が発覚し、あわや自己破産か⁉︎ という危機的な状況からストーリーが始まります。
嫁ちゃんの借金の大半は、大学の奨学金とクレジットのリボ払いが原因でした。Amazonレビューでは、金銭感覚がなく自己主張の強い嫁ちゃんにイライラしたという批判も多かったけれど、私自身も几帳面なほうなのに、実は重要書類の保管場所やパスワードを忘れがちなので、耳が痛いことしきり……。
でも、切羽詰まらないとしっかりできない人って、案外多いんじゃないでしょうか?
この本がきっかけで家計簿アプリを使い始め、私自身も収入と支出、資産と負債を正確に把握できるように。どのくらいのお金で自分が生きていけるか見通せるようになると、ものすごく気がラクになります。
高額だと思い込んでいたファイナンシャルプランナーへの相談料が、元が取れるくらい安心価格だったのも新発見!
お金絡みでギスギスしていた二ノ宮夫妻も、家計改善で夫婦関係がよくなり、借金を無理なく返しながら、少しずつ貯蓄や投資額を増やしているとか。
人生初のマネー本でいろいろ難航しましたが、誰でも理解できるし、勇気がもらえる内容になったのではないかと思います。
インパクトのある装丁は佐藤亜沙美さん。このメリハリのセンスはさすがです!
お金に苦手意識のある人が、安心して将来設計するために知っておきたい、必要最低限だけど大切な情報が書かれているので、気楽に読んでいただけたら嬉しいです。